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国税庁 「税務運営方針」(昭和51年4月1日)
                                         

国税庁長官から国税職員に向けての内部文書である「税務運営方針」というものがあります。税務行政を執り行う基本的な方針を示しています。どのような考え方で納税者に接するか等体系的にまとめ、遵守すべき事項を通達したもので、現在でもこの税務運営方針の基本的な考え方は修正されておりません。

勝手気ままにその内容を抜粋してみました。

 

税務運営方針

 

第一 総論

1.税務運営の基本的考え方

 

1)納税者が自ら進んで適正な申告と納税を行うような態勢にすること

 ・・・近づきやすい税務署にすること

 

納税者が自ら進んで適正な申告と納税を行えるようになるには、納税者が租税の意義を理解し、その義務を自覚するとともに、税法を正しく理解し、正しい計算のために記帳方法などの知識を持つことが必要である。このため、広報、説明会、税務相談などを通じて、納税者についての理解を深め、税法等の知識を普及するとともに、記帳慣習を育成することに努める。特に課税標準の調査に当たっては事実関係を的確に把握し、納税者の誤りを是正しなければならないことはもちろんであるが、単にそれにとどまらないで、それを契機に、納税者が税務知識を深め、さらに進んで納税意識をも高めるように努めなければならない。

このように、申告納税制度の下では納税者自らが積極的に納税義務を遂行することが必要であるが、そのためには、税務当局が納税者を援助し、指導することが必要であり、我々は、常に納税者と一体となって税務を運営していく心がけを持たなければならない。
また、納税者と一体となって税務を運営していくには、税務官庁を納税者にとって近づきやすいところとしなければならない。そのためには、納税者に対して親切な態度で接し、不便をかけないように努めるとともに、納税者の苦情あるいは不満は積極的に解決するよう努めなければならない。また、納税者の主張に十分耳を傾け、いやしくも一方的であるという批判を受けることがないよう、細心の注意を払わなければならない」。

 

2)適正な課税の実現に努力すること

「国民の納税道義を高め、適正な自主申告と納税を期待するには、同じような立場にある

納税者はすべて同じように適正に納税義務を果すということの保証が必要である。この

ため、申告が適正でない納税者については、的確な調査を行って確実にその誤りを是正することに努め、特に悪質な脱税に対しては、厳正な措置をとるものとする」

3)綱紀を正し、明るく、能率的な職場をつくること

  

 

2.事務運営に当たっての共通の重要事項

 

1)調査と指導の一本化

「申告納税税度の下における税務調査の目的は、すべての納税者が自主的に適正な申告と納税を行うようにするための担保としての役割を果たすことにある。すなわち、適正でないと認められる申告については、充実した調査を行ってその誤りを確実に是正し、誠実な納税者との課税の公平を図らなければならない。
 更に、調査は、その調査によってその後は調査をしないでも自主的に適正な申告と納税が期待できるような指導的効果を持つものでなければならない。このためには、事実関係を正しく把握し、申告の誤りを是正することに努めるのはもちろんであるが、それにとどまることなく、調査内容を納税者が納得するように説明し、これを契機に納税者が税務知識を深め、更に進んで将来にわたり適正な申告と納税を続けるように指導していくことに努めなければならない。調査が非違事項の摘出に終始し、このような指導の理念を欠く場合には、納税者の税務に対する姿勢を正すことも、また、将来にわたって適正な自主申告を期待することも困難となり、納税者の不適正な申告、税務調査の必要という悪循環に陥る結果となるであろう」

2)広報活動の積極化

3税務相談活動の充実

「税務相談に当っては、正確で適切な回答をするとともに、納税者の有利となる点を進んで説明し、納税者に信頼感と親近感を持たれるように努める。また、苦情事案については、納税者が苦情を申立てざるを得ないこととなった事情を考え、迅速、適切に処理する」

4納税者に対する応接

「税務という仕事の性質上、納税者は、税務官庁をともすれば敷居の高いところと考えがちであるから、税務に従事するものとしては、納税者のこのような心理をよく理解して、納税者に接することが必要である。
このため、税務署の案内や面接の施設の改善に努め、納税者が気楽に税務相談にくることができるよう配慮するとともに、窓口事務については、納税者を迎えるという気持ちになって、いっそうの改善に努める。また、国税局の税務相談室及び税務の相談日がより一層利用されるようにする。
なお、納税者に来所を求めたり、資料の提出を求めたりする場合においても、できるだけ納税者に迷惑をかけないように注意する」

 

 「納税者の主張には十分耳を傾けるとともに、法令や通達の内容等は分かりやすく説明し、また、納税者の利益となり事項を進んで知らせる心構えが大切である」

 

 「税務行政に対する苦情あるいは批判については、職員の全てが常に注意を払い、改めるべきものは速やかに改めるとともに、説明や回答を必要とする場合には、直ちに適切な説明や回答を行いよう配慮する」

 

5)不服申立事案の適正かつ迅速な処理
6)部内相互の連絡の緊密化
7)地方公共団体及び関係民間団体との協調
8)電子計算組織の利用と事務合理化の推進

3.組織管理と職場のあり方

1)庁局署の関係
2)適正な事務管理と職員の心構え
3)職員の教育訓練
4)綱紀の粛正
5)職場秩序の維持
6)職場環境の整備
7)職員の健康管理


第二 各論

1 直税関係
1)直税事務運営の目標と共通の重点施策
2)各事務の重点事項
2 調査査察関係
1)調査課事務運営の目標と重点事項
2)査察事務運営の目標と重点事項
3 間税関係
1)間税事務運営の目標と共通の重点施策
2)各事務の重点事項
4 徴収関係
1)徴収事務運営の目標と共通の重点施策
2)各事務の重点事項
5 不服申立て関係
1)異議申立て関係
2)審査請求関係

                                ※ご参考までにお願いします。


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