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現行民法の規定は? |
売掛金の支払いや貸付金の返済などを請求する権利(債権)は、一定の期間が経過すると消滅し、もはや請求できなくなることがあります。これを「消滅時効」制度といいます。
現行の民法では、債権の原則的な時効期間を「権利を行使することができる時から10年間」とした上で、その例外として、職業別に1年から3年の短期消滅時効(飲み屋のツケは1年、弁護士報酬は2年など)を定めています。例えば、知人に金を貸した後、請求も何もせずに10年経過し、金を借りた知人が時効を援用(時効の成立を主張)すれば、その貸付債権は消滅することになります。 |
改正民法ではどうなる? |
債権(損害賠償請求権を除く)の時効期間に関する主な改正点は、次の2点です(図表3)。
① 職業別の短期消滅時効をすべて廃止
② 債権の原則的な時効期間を、i) 債権者が権利を行使することができることを知った時から「5年」、又は、ii)権利を行使することができる時から「10年」とする。
上記②のii)の「権利を行使することができる時」とは、決済日(支払期限)が約定されている場合はその期限到来の時点であり、約定されていない場合は商品・製品の納品(サービス業ならサービスの提供)時点のことです。
通常の商取引であれば、事業者は、この時点から支払いの請求ができることを認識しているわけですから、上記②のi)にいう「権利を行使することができることを知った時」と一致します。短期消滅時効の廃止を併せると、通常の商取引においては、改正後の時効期間は実質的に「5年」に統一されることになります。
したがって、改正後は、商品販売等による売掛債権の消滅時効が5年へと長期化することになるため、企業実務に少なからぬ影響が及ぶことが予想されます。債権管理のためのシステムやマニュアルの見直しなどに早めに着手することをおすすめします。
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