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創業期の資金計画 |
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1.目標を明確にするために事業計画書を作成する
創業時には、事業計画書を作成しましょう。事業計画書を作成する目的は、自分がやろうとする事業の「目的」と「内容」を明確化することです。
ただし、あまり体裁にこだわる必要はありません。事業の「目的」や「内容」を明確化できる内容がきちんと含まれていることが重要です。事業計画書に含まれるべき内容としては、以下の表の項目が代表的です。
順 番 |
内 容 |
1 |
自分がなぜこの事業を行うのかという「理念」 |
2 |
自分が行いたい事業の具体的な「内容」 |
3 |
なぜ自分の行う事業が有望だと考えるかという「根拠」 |
4 |
競合他社の「分析」 |
5 |
損益計画 |
6 |
人員計画 |
7 |
設備計画 |
8 |
資金計画 |
9 |
代表者略歴
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具体的には、表の2~4を行うことによって、自分の行いたい事業の「強み」と「弱み」が明確になります。
そして、そのような「強み」と「弱み」を具体的かつ客観的に数字で表現したのが5~8ということになります。
ちなみに、変化の激しい時代ですから、三年先ぐらいの計画を作れば十分でしょう。
2.成功に結びつく事業計画書とは
事業を始める際には、成功するかどうかわかりません。ましてや、事業計画書どおりに実際の事業が進む確率はきわめて低いでしょう。
したがって、事業計画書を作成することは無駄であると考える人もいます。しかし、事業計画書は、作成するべきです。
なぜなら、成功するための重要なポイントは何かということが明確に意識できるからです。
したがって、事業を始めると、その重要なポイントが実現できるように、集中的に「お金」と「時間」を使うことになると思います。逆に、その重要なポイントが実現できないときには、事業がうまくいかないという「リスク」が発生します。事前に「リスク」を認識しておくことも非常に重要です。
3.資金計画は創業資金と継続資金で算定
資金計画は、大きく分けて二つの局面から必要な金額を算定します。
その局面とは、
① 事業を始めるのにいくら必要かを算定する。
② 事業を継続するためにはいくら必要かを算定する。
この二つの局面から資金計画を立てることによって、それぞれの局面で、いくらのお金が必要かがわかります。
事業を始めるための資金の大部分は、設備投資に関する資金です。
具体的には、機械やパソコンのほかに、オフィスなどの敷金、礼金、内装工事代なども設備資金に含まれます。
小売店や卸売業のような事業を行う場合は、在庫投資に関する資金も事業を始めるための資金に含まれます。
もちろん、会社を設立する費用も頭に入れておかないといけません。
株式会社を設立する場合、30万円程度の費用が発生することになります。
また、会社設立手続きを自分でやらないで、行政書士などに委託すると、別途10万円ぐらいの費用が発生します。
事業を継続するための資金事業を継続するための資金は、運転資金と呼ばれています。
いわゆる事業を行なっていると日常的に発生する経費です。
仕入れ代金のほか、給料、家賃、外注費、広告宣伝費などが主要な項目です。
4.会社設立後の資金管理は重要
なぜ、資金が会社設立後の企業にとって、大きな問題になるのでしょうか。
それは、資金不足になると「倒産」するからです。
最近は、民事再生法などいろいろな倒産のパターンがあるので、倒産の定義が複数存在しますが、一番基本的な
倒産は資金不足です。
つまり、支払うべき金額が手持ちの金額よりも大きくなってしまい、支払うべき金額を支払えないときに、企業は倒産
します。
企業にとって一番悲惨な事態を避けるためにも、資金の管理は重要です。
この資金を管理するために行う業務が資金繰り業務です。
5.資金繰りの改善は慎重に
資金繰りを楽にするためにやるべきことは、非常にシンプルです。
次の二点を実行すれば、資金繰りは楽になります。
① 入金を早く
② 支払は遅く |
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ただし、実行段階では、困難が伴います。とくに中小企業の場合は、相手先との力関係により、決済条件が自社で決めている決済ルールではなく、相手先の決済ルールに従うことになることが多いのが実情です。
したがって、できる範囲でかまわないので、先程の二つのルールを実行していけば、資金繰りは確実に楽になります。
6.会社設立後に資金が必要になったら
会社設立後に資金が必要になったら、「増資」と「借入」のどちらかを利用して、資金調達するのが一般的です。資金繰りから考えれば、「増資」のほうが有利です。なぜなら、「増資」は、返済が不要なお金ですが、「借入」は将来返済が必要なので、資金が流出してしまいます。
一方、経営に関する関与の点から考えれば、「増資」のほうが面倒です。なぜなら、増資に応じた株主に対しては、株主としての権利を認めないといけませんが、「借入」の場合は、経営に関与する権利はありません。
それぞれの長所・短所を見極めたうえで、どちらを選択するべきか決定しましょう。
最近は、中小企業が金融機関からお金を借りやすくなっていますが、あくまで優良と考えられる中小企業が対象となります。業績の悪い会社や財政状態の悪い会社は、お金を借りるのが容易ではないという状態が続いています。
したがって、このような事態に備えるためにも、経営者は、日頃から貯金に励むことも必要でしょう。
※詳しくは、笠原会計事務所まで、お気軽にお問い合わせください。
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