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経営理念は意思決定や行動のよりどころ
会社は社長をはじめとする複数の人たちで成り立つ組織です。経営理念とは、会社の夢や目指すべき理想の姿、存在意義などを明文化したものであり、意思決定や行動のよりどころとなります。事業承継においては、まず後継者が会社の根源である経営理念を理解し、承継する必要があります。 |
経営理念は戦略資源として活きているか?
吉田松陰が言ったとされる言葉に「夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし 故に、夢なき者に成功なし」があります。
この言葉のとおり、業績の良い会社には会社の夢や目標を表現した経営理念と、それに基づいた経営計画や実行力があります。経営理念がある会社とない会社の業績を比較したところ、経営理念は立派な戦略資源であり、利益や業績に対して有効であるとの研究結果もあるそうです。
経営理念が他社のコピーであったり、額縁に飾ったままで存在が忘れ去られていたりすることはないでしょうか。事業承継時に、改めて経営理念が戦略資源として活きているかを確認しましょう。 |
経営理念を改めて明文化または見直してみよう
経営理念なんてないという会社もあると思いますが、何の考えや方針もなく経営をしている経営者はいません。下の質問事項と「経営理念作成シート」を参考に自社の経営理念を明文化してみましょう。
また、本来経営理念はみだりに変更するものではありませんが、現在の社会情勢や価値観等に合ったものかどうかを確認することも大切です。すでに経営理念がある場合でも、内容を改めて見直してみましょう。 |
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①あなたは何のために経営をしていますか?
経営に対する基本的な姿勢や軸となる目標・夢を自問自答しましょう。
②どのような会社にしたいですか?
会社のあるべき姿を思い描いてみましょう。会社は「社会的公器」と言われます。社会における自社の役割や存在意義を明らかにしましょう。
③大切にしたい価値観・社会観・人生観は?
経営者や社員は、影響の大小はあれ、さまざまな場面で経営上の意思決定を迫られることがあります。組織の価値観が不明確だと、自分自身の価値観で判断しなければならないので、組織の価値観を明らかにしましょう。
④顧客に対する基本的な姿勢は?
成長・発展している企業は共通して、企業を取り巻く関係者と共存・共栄の関係ができています。「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」や「互恵価格」は事業の継続上、必須の考え方です。自社の商品・サービスについて、顧客のために付与する価値は何かを考えましょう。
⑤社員に対する基本的な姿勢は?
会社の組織は目標を達成するために作られます。組織を時計に例えると、社長や幹部は大きな歯車であり、新人社員は小さな歯車です。しかし、小さな歯車が欠けると時計は動きません。社員はかけがえのない存在です。役割分担を明確にし、お互いに認め合い成長しあう「教育=共育」という関係の構築を図りましょう。
⑥地域社会に対する基本的な姿勢は?
地域に根ざした経営を行うためには、どれだけ地域に密着し、貢献できているかという「企業市民」の視点を持つことが大切です。雇用機会を創出し、所得水準を向上させるなど地域経済における存在価値を高めましょう。 |
経営理念に込めた想いを積極的に社内外に発信しよう
経営理念は経営者・後継者が理解しているだけではいけません。社内において、その意味を事あるごとに伝えて組織に浸透させる必要があります。そして経営計画や行動指針を作り、実践して、経営理念に基づいた経営の実現を図りましょう。
社外に向けては、名刺やホームページで自社の経営理念に込めた想いを積極的に発信し、「言った以上はやらなければ」と責任と緊張感を醸成させましょう。「類は友を呼ぶ」というように経営理念に共鳴する企業とのご縁ができたり、取引関係が強化されたりすることで、事業の発展にもつながるでしょう。 |
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