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役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃を受け取っていれば給与として課税されません。
法人がその所有する建物を役員に社宅として貸しているケースはよくあります。多くの場合、通常の家賃と比べるとかなり低額になっていますが、税務上、細かな基準が設けられています。 |
(1)適正な家賃の目安
税務では、家屋の床面積等から次の三つに区分して適正な家賃の目安を示しています。 |
国税庁が規定する役員社宅制度3基準
① 通常の社宅の場合
② 小規模住宅の場合
③ 豪華な役員社宅の場合 |
※家賃算定手続きについては、固定資産税の評価証明書を入手すれば計算は可能。 |
① 通常の社宅の場合 (所基通36-40)
通常の社宅である場合には、次の算式で計算した金額を、個人から徴収すれば問題は生じません。
なお、通常の社宅とは、床面積が132平方メートル(木造家屋以外の場合には99平方メートル)を超え240平方メートル以下のものをいいます。 |
(A×12%+B×6%)×1/12=通常の賃貸料月額
A その年度の家屋の固定資産税の課税標準額
B その年度の敷地の固定資産税の課税標準額
※木造家屋以外の家屋は12%→10% |
② 小規模住宅の場合 (所基通36-41)
床面積が132平方メートル(木造家屋以外の場合には、99平方メートル)以下の場合には、次の算式により計算します。 |
A×0.2%+12円×{家屋の総床面積(㎡)/3.3(㎡)}+B×0.22%
=通常の賃貸料月額 |
この算式で計算した金額は、本来一般の従業員が社宅を借りている場合の家賃の計算に適用されるものですが、役員社宅であっても、一定規模以下であるときは同様に適用が認められているものです。
なお、①及び②については、あくまで会社が自分で所有している家屋を社宅として役員に貸した場合の取扱いです。
もし、会社が他から借り受けて、さらに役員に転貸しするような場合には、会社が支払う賃料の50%相当額と、先ほどの算式で計算した金額のいずれか多いほうの金額が、法人が役員から徴収すべき家賃となります。 |
③ 豪華な役員社宅の場合
役員が社宅として借りている家屋が、❶その床面積が240平方メートルを超える場合、❷240平方メートル以下であっても、プールがあったり、役員個人の趣味を著しく反映した設備を有するような場合については、豪華な役員社宅として、「その社宅が一般の賃貸住宅であるとした場合に支払うべき金額」を支払う必要があります。 |
(2)低額な家賃の取扱い
役員が適正な家賃を支払っていれば税金の問題は生じませんが、低額過ぎたり、支払っていない場合には次のように取り扱われます。 |
① 法人の税務上の取扱い
法人としては、通常受け取るべき家賃を受け取っていないということになりますので、経済的合理性を追求する法人としては、受け取るべき家賃を役員報酬として支給したと考えます。
同額で、損益に影響はありませんが、過大役員報酬の判定と役員報酬の源泉徴収の問題があります。 |
② 役員の税務上の取扱い
適正な家賃に比べて低い家賃を支払っている場合には、その差額分が役員報酬として給与所得の収入金額に加算されることになります。よって、その金額を含めたところで、所得税や住民税が計算されることになります。 |
<注意>
(1)役員に無償で貸す場合には、賃貸料相当額が給与として課税されます。
(2)役員から賃貸料相当額より低い家賃を取っている場合には、賃貸料相当額と受取家賃との差額が給与として課税されます。
(3)個人で直接契約している場合は社宅の貸与として認められないので、必ず法人契約をしてください。 |
(3)役員社宅の節税対策
住宅を購入する場合、個人名義で購入すると、借入金の利子や固定資産税・減価償却費は経費扱いはできません。しかし、会社で住宅を購入し、役員に社宅として(上記)一定金額以上の家賃で賃貸した場合には、借入金の利子・固定資産税・減価償却費の費用は会社の経費として取り扱うことが可能です。 |
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