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法人税法上の役員
 法人税法上の役員
 
 ●法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事 及び 清算人、
並びに これら以外の者で、法人の経営に従事している者のうち、
一定のものをいう。
(法人税法第2条≪役員の定義≫)

税法上の役員は、会社法上の役員(下図)より、その範囲が広くなり、その増えた範囲の中にいる人も役員とみなされ、これを”みなし役員”といいます。

図示すると、
 役員(取締役・執行役・会計参与・
監査役・理事・監事・精算人)
会社法上の役員 税法上の役員
経営従事  使用人以外のもの(相談役・顧問等)
※1
 みなし役員
 同族会社の使用人で、
一定の要件を満たすもの
※2


法人税法における「みなし役員」

つぎのいずれかに該当する者は、税法上の「みなし役員」となります(法人税法施行令7条)。

(※1)使用人以外の者で経営に従事している者
 法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限ります。)以外の者で、その法人の経営に従事しているものをいいます。具体的には、相談役、顧問その他これらに類する者でその法人内における地位、その行う職務等からみて他の役員と同様に実質的に法人の経営に従事していると認められるものが該当します(法人税法基本通達9-2-1)。

 また、「職制上使用人としての地位」とは、部長、課長、支店長、工場長、営業所長、主任等の法人の機構上定められている使用人たる地位をいい(法人税法基本通達9-2-5)、これらの地位のみを有する者は除かれますので、例えば、支店長等でその職務だけに従事する使用人はみなし役員になることはありません(ただし同族会社の使用人でみなし役員となる者を除く)。

(※2)同族会社の使用人のうち特定の者
 同族会社の使用人のうち、次の全ての要件を満たす者で、その法人の経営に従事しているものが該当します。


(1)  その会社の株主グループにつき、その所有割合が大きいものから順に並べ、  上位3位グループの所有割合を算定した場合に、その使用人が次の[1]から[3]のいずれかのグループに属している事。
[1] 第1順位の株主グループの所有割合が50%超である場合の、その株主グループ
[2] 第1順位と第2順位の株主グループの所有割合を合計した場合に、その所有割合が50%超になるときにおけるこれらの株主グループ
[3] 第1順位から第3順位までの株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合が50%超となるときにおけるこれらの株主グループ
(2)  その使用人の属する株主グループの所有割合が10%を超えていること
(3)  その使用人(その配偶者ならびにこれらの者の所有割合が50%超である他の   会社を含む)の所有割合が5%を超えていること


上記の判定をフローチャート化すると、次のようになります。

 

 なお、ここでいう株式グループとは、その株式等およびその株主等の以下に揚げる同族関係者(法人税法施行令4条1項)ならびに、これらの者によって直接・関節に支配される会社をいいます。


(1)株主等の親族(6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族)
(2)株主等と婚姻届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者
(3)株主等(個人に限る)の使用人
(4)上記以外で、株主等(個人に限る)から受ける金銭等により生計を維持している者
(5)上記(2)~(4)の者と生計を一にするこれらの者の親族

 上記(4)の「生計を維持している者」とは、その株主等から給付を受ける金銭その他の財産または給付を受けた金銭その他の財産の運用によって生ずる収入によって、日常生活費の主要部分を賄っている者をいいます。(法人税法基本通達1-3-3)。
 また、(5)の「生計を一にする」とは、必ずしも同居が要件となるのではなく、有無相助けて日常生活の資を共通にしている親族が該当します(法人税法基本通達1-3-4)。

 難しいのは「実質的に法人の経営に従事」しているかどうかの判定です。
 これについては、その者が、法人の経営方針や販売計画、仕入計画、生産計画、設備投資計画、従業員の採用、従業員の給与の額、融資条件、保険条件など、重要な経営上の決定事項にどれほど関与しているかを総合的に判定されることが通例です。

 つまり、みなし役員の認定には「経営に従事している」ということが絶対要件であり、「経営に従事していない」ことをどのように立証するかが重要となります。

 みなし役員と認定された場合は、一定の役員賞与を除く役員賞与の損金不算入、過大役員給与の損金不算入、過大役員退職金の損金不算入、役員に対する資産の定額譲渡など、役員給与に係る法人税上の諸制度の縛りを受けることになります。

 みなし役員にあたるかどうかの判定について、課税当局と意見の相違が生じるケ-スも少なくありませんから、対応には十分な注意が必要です。


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